うつ病になったら考える、仕事との付き合い方
うつ病を発症している状態では、仕事をこれまで通りに続けようとしても、
100%のパフォーマンスを発揮することが困難なだけでなく、
心身共にどんどん摩耗して行ってしまいます。
即、仕事を休んで療養するのが一番でしょうけど、収入やその他様々な理由で、
それが難しい状況が殆どでしょう。
この記事では、うつ病だと感じたら、どのように仕事と付き合っていくべきか
考えていきます。
<目次>
まずはじめにやること
まずは、病院に行って診察を受けて、診断をもらってください。
診断書を一緒に出してもらうと良いでしょう。
(診断書の値段は、一回3,000円くらいです)
医師からの証明を得ることで、業務量のコントロールや配置転換、休職等の対処を
会社と掛け合うのがやりやすくなります。
ストレスの原因を洗い出す
通院の過程で、医師に状況を話すことになるとは思いますが、
改めて、ストレスに感じていたことを列挙していきましょう。
これで、今後どう動くべきか筋道が見えてきます。
例えば、私の場合、部署の人間関係(特に係長と現場の板挟み)と、
過度な残業、休日出勤でした。
仕事そのものに対し意欲が無かった訳ではなかったので、
定時帰り、休日出勤免除、部署全体のミーティングにはなるべく出ない
ということを上司と話し合い決めました。
ストレスの原因を避けるように、仕事のやり方や環境を変えていきます。
このとき、きちんとした診断を受けていることで、
周囲の人や会社の協力が得やすくなるはずです。
仕事量を減らす
おそらく、これは絶対に必要だと思います。
仮に仕事量をストレスに感じていなくても、身体が疲れると必ず、メンタル面もつられて不調になります。
特にうつ病の場合は、心身ともにダメージをとても受けやすくなっています。
困ったことに、たいていの場合それを自覚できないのです。
もう少しいけるかな?と思っても、絶対に無理をしてはいけません。
もう少し大丈夫=もう休め、のサインと思ってください。
自分へのダメージに対し敏感になることが、自分の身を守ることにつながります。
考え方を変える
これもかなり重要です。
うつ病になりやすい人は、
・真面目で責任感が強い
・仕事を抱えこむ
・仕事に対し妥協しない
・周囲の期待に応えようとする
こんな人が多いのではないかと思います。
おそらく、うつで本調子でなくても、仕事のクオリティをなるべく高くしようとするでしょう。
また、周囲の役に立とうとしてつい仕事を引き受けたり、
任された仕事を完璧にやり遂げようとするでしょう。
でもそれでは、加速度的に心身をすり減らしてしまいます。
本調子でないがためにパフォーマンスが上がらず、それで自分を責め、さらに落ち込んでいく、そしてまたパフォーマンスが上がらなくなる…
こんな負のスパイラルに陥る前に対処しなくてはなりません。
対策を端的に言えば、
仕事など適当でよい のです。
自分だけが過度に頑張る必要はない のです。
こう言うと、「おいおい、馬鹿言うなよ…」と思う人が多いでしょう。
でも、落ち着いて考えてみてください。
多少メールや書類に誤字があっても、大体意味は通じます。
多少ミスった所で、誰も気が付かないし問題ない、あるいは誰かがフォローしてくれるはずです。
仕事の手を抜いてぼーっと周囲を眺めていると、案外職場が回っていることに気付くと思います。
意外と、適当にやっても何とかなるものです。
普段、たばこ休憩ばかり行っている人や、周囲とおしゃべりしてる人が
案外出世しているなど、世の中案外そんなもんなのです。
(なお、ミスが許されない、人の命や莫大な金銭がかかっている、かつ、自分のミスが損害に直結する職場であれば、配置転換や休職、転職をするのが適切でしょう)
部署異動、配置転換を願い出る
ストレスの原因が部署の環境、あるいは職務内容といった環境が原因の場合、
環境を変えてやる必要があります。
例えば、部署の人間関係が悪いとか、上司がハラスメントをしてくるといった場合、
そこから逃れることで、ストレスの原因を除くことができます。
また、手先が器用でなく、実験・作業でミスを繰り返し、ストレスを溜めていた人も、
書類仕事に配置転換されることで、人が変わったように活躍する場合があります。
いつまでも我慢し続けることで、仕事の成果が上がらないことは、
自分にとっても、そして組織にとっても不利益です。
環境を変えることは双方の利益になるでしょう。
ですから、ためらわずに上司や会社に相談してください。
特にハラスメントに対しては近年、世の中が敏感になっているので、これが原因なら、
会社もすぐに動いてくれるケースが多いと思います。
なお、この対処法は、適応障害の対処法としても有効です。
休職する
病状がひどい場合や、ストレスの原因が働くことそのものにある場合、
思い切って休職してしまいましょう。
長期で休んだ場合、収入が心配になりますが、
傷病手当金の支給を受けることができます。
(参考:病気やケガで会社を休んだとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会
)
また、会社独自の休職時の補償が得られるケースもあります。
補償の厚い会社では、休職後数か月は給料が出たり、給与所得が無くなった場合の保険に加入していたりする所もあります。
どちらの場合も、補償を受け取るには医師の発行する診断書が必要ですので、
早めにもらっておくとよいでしょう。
転職する
ストレスの原因が会社そのものであったり、
会社や周囲から、病気への理解が得られない場合、転職という手もあります。
しかしこの方法は、必要な労力の割にはリスキーで注意が必要です。
理由として、
・転職先で同様にストレスを溜める可能性がある
・うつ状態で、自身の判断力が低下している
の2つが挙げられます。
特に、うつ状態では、思考力が低下し、正常な判断ができないことが多いため、
転職など、重要な決断はなるべくしない、ことがセオリーです。
会社が明らかにブラックな場合など、転職がやむを得ない場合もありますが、
その場合でも、一度充分な休養(数か月~数年)を取り、医師と相談しつつ、
判断力や、転職のためのエネルギーが回復してから転職するのがベターでしょう。
まとめ
うつ病になったら頑張ってはいけない、というのは半分当たりで、半分間違いです。
少なくとも、低下したエネルギーをすべて、自分の身を守るために使う必要があります。
短期的には収入や、仕事の成果が減るかもしれません。
ですが、今後の人生、長い目で見れば、元気でいればいつか取り返すことができるでしょう。
まずは焦らず、自分の身を守り、体調を回復させることに専念してください。
・まず、医師の診断を受ける
・仕事の絶対量を減らす
・真面目に、完璧にやらなくてはいけないという考え方を改める
・周囲の環境や職務内容がストレス源の場合、部署異動や配置転換を希望する
・症状がひどい場合には休職をする
・転職は慎重に。なるべく冷静に判断できるようになってから